「文化というのは、人が生きていて不幸を感じるときに代償物として必要になるもののように思える。文化をもっと別のイメージ、たとえば幸せの真っただ中で増大する祝賀や叙情と結び付けることは可能だろう。しかし確信はない。机上の空論のように思える。このさき僕にとって文化が重要性を持つことはあり得ない」(p.357)
河出文庫版の内容紹介の1行目から胸に刺さる。ここを抜き出した編集の方、素晴らしい。「なぜ人生に熱くなれないのだろう?」
「読んで気持ちよくなれるタイプの本ではない。慰めもない。むしろ痛みの増すような本だ。それでも彼の本が多くの人に読まれるのは、生きることの第一義が幸せの追及ではないからだ、とわたしは思う」(訳者あとがきより)
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- 感想投稿日 : 2018年10月13日
- 読了日 : 2018年10月13日
- 本棚登録日 : 2018年10月2日
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