「自分では引き受けられない、あるいは引き受ける気がないものを、一時的に、あるいは別世界において、別人において、存在させ、いくらか感じたり、肯定したりする。こんなことが私たちの生のいくらかの部分を占めているのは確かであり、そんなことがなくなるとは思わない。(⋯)ただ、すくなくとも、自分(たち)に都合のよいように他人(たち)を思い描き、そして扱い、そのことによってその他人(たち)に迷惑をかけるのはよくないことだ。このことはわかっておこう」(p.39)
「人間が、外界を制御しその成果を自らに取り込むことは、一つに、「人間的」なこととして肯定される。他方で「自然」はそうなっていると言われる。だいたい、まず、こういうところがいいかげんだ、二枚舌だと思う。けれども、言っている人が違うと、二枚舌だという批判は効かない。各々は一枚の舌で語っているということになるからである。とすると、面倒だが、一つずつ見ていく必要があることになる」(p.158)
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- 感想投稿日 : 2018年10月28日
- 読了日 : 2018年10月28日
- 本棚登録日 : 2018年8月17日
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