野村ノート

著者 :
  • 小学館 (2005年9月28日発売)
3.71
  • (115)
  • (183)
  • (227)
  • (22)
  • (1)
本棚登録 : 1204
感想 : 165
5

本書を読む目的:マネジメントに活かす

■「3年で獲れなければ、幸運がない限りタイトルは獲れない」
若いころにタイトルを獲ってしまうと、残りの選手人生をゆったりと腰を据えて過ごすことができる。
若い時にそのような経験がないと、調子がいいときにタイトルのことがちらちらと頭に浮かぶ、マスコミの質問で否が応でもタイトルを意識させられる、新聞のランキング表が気になるなどにより、ここ一番で実力が発揮できない。
また、若い時に苦労したこと、考えたこと、学習したこと、経験したことは後になって必ず活きる(三つ子の魂百まで)。

■「監督は「気付かせ屋」でなくてはならない」
・気付かせてあげる
チームを作るには、まずひとりひとりの選手を作らなくてはならない。人の成長が組織に反映されるのを待たなくてはいけない。人を成長させるには、気付かせるということがポイント。「こうやってみたらどうだ」、「こういう対応の仕方があるのではないか」のように、何かヒントを与えて、選手の気付きを待つ。
・思考の枷を外してあげる
「お前が捕手だったら、この場面でストレートなど投げさせるか?」、「おれにストレートなど投げてくるはずはないとうぬぼれて、思い切って変化球にヤマを張ってみろ」
※メンタリングやコーチングで言われていることと同じ。
※逆の立場で考えると、何かヒントやアドバイスをもらったら、自分の考えに固執せずに試してみることが重要だと思う。

■上司と部下の価値観の共有
選手に試合を見させるときでも、「ここを見ておけ」というツボ、技術面のコツ、「これだけは注意しろ」という注意点を伝えておく。それを的確に伝えることができれば、あとは放っておいてもその組織はぶれずに良い方向に向かっていく。

■「士は己を知る者のために死す」
監督がチーム優先で考えているのに対して、選手はあくまで個人主義(自分を認めてほしい)である。リーダーから存在価値を認めてもらう(承認欲求が満たされる)ことで、チーム優先の考えに変われる。
扱いに苦労した選手として江本、江夏、門田が挙げられている。この3人によって人心掌握術や操縦法を鍛えられた。彼らを人として扱い、観察して理解していくなかで、信頼を築き、心を開かせることができた。

■後継者づくり
巨人の川上監督が、「彼はいずれ巨人の監督になるから勉強させたい」という理由で、当時現役の長嶋をトレード交渉に同席させた。そういった継承がしっかりできていたことが、巨人の強さの理由であった。
・後任人事が分かれば、いずれ自分が監督になるつもりで過ごすなかで、リーダーシップが身についてくる。
・まだ言われていなくても、いずれその可能性があると感じた選手は、将来に向けて計画的に行動すべき。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マネジメント
感想投稿日 : 2019年10月13日
読了日 : 2019年9月22日
本棚登録日 : 2019年9月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする