聖域 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2008年7月18日発売)
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本棚登録 : 498
感想 : 44
3

篠田エンターテイメントはやはり読み応えがある。面白い。しかしこれは、そもそも主人公である実藤に魅力が乏しく、また、彼が小説「聖域」にそこまで強く惹かれる理由に説得力が足りなかったように思う。そして、周囲の人々がことごとく水名川泉を忌避するのも大げさな謎かけっぽくて納得感が薄かった。
何かに憑りつかれた男の人生の顛末を描くことこそが著者の本分で、あの世とかこの世とか実相とか色即是空とかは本来的なテーマではないのだと思うが、どちらかというともっとそっちへシフトした物語が読みたかったな、という気持ちにさせられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 秋の海
感想投稿日 : 2018年7月29日
読了日 : 2018年7月29日
本棚登録日 : 2018年7月29日

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