宮内悠介はスランプなのか?
第3章以降になってようやく期待する筆致が戻ってきてひと安心はしたものの、そもそもの設定とストーリー展開が最後まで腑に落ちないままで消化不良。謎の音楽学院ってそもそも何だったの?パンドラの力って何だったの?
「虐殺器官」の音楽版をやりたかったのかな?とも思ったけれど、自分なりの「アメリカ」を描きたかっただけなのかな?とも思ったり。思わせぶりな謎は提示されるだけで解消されることはなく、なんとなくなまま物語は終ってしまう。
ハードボイルドな客観描写はうまいが、人が交じわる会話描写は下手。2章までのクオリティはひどかった。
題材と視点の置き方を間違えなければ、またいつか傑作を書いてくれるはず。気長に待とう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
夜の海
- 感想投稿日 : 2016年3月6日
- 読了日 : 2016年3月6日
- 本棚登録日 : 2016年3月6日
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