巻末の佐藤隆介氏の解説が、鬼平シリーズを語るに腑に落ちるところがあったので、ここに引用させて頂く。「結局、池波正太郎が[鬼平犯科帳]によって私たちに突きつけて見せるものは、いつの時代にも変わることのない、人間の裸の姿なのだ。そこでは人間の本性が徹底したリアリズムの手法でえぐり出され、私たちは、(正義か、然らずんば悪か・・・)式の小児的倫理がいかにナンセンスであるかを否応なしに思い知らされる。白か、そうでなければ黒、ときめてかかれるほど人間は単純な生きものではなく、白と黒の中間ーそこにはありとあらゆるバリエーションがあるーにこそ人間生活というものがある、と私たちは改めて考えられるだ。」
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- 感想投稿日 : 2011年1月3日
- 読了日 : 2011年1月3日
- 本棚登録日 : 2011年1月3日
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