☆5つ
吉田拓郎の歌の題名とは全く関係ない。先ごろ亡くなった元歌手藤圭子へのインタビューを、二人の会話だけを用いて書いたものだ。
もちろん読む前から藤圭子へのインタビュー本だということは分ってはいたのだけれど、いきなり会話で始まってどこまで行っても会話だけだと気づく文章は15page目に至って初めて藤圭子というインタビュー相手の名前が詳らかにされるのであった。
結構いろんなエピソードが織り込められたインタビューになっている。
とても印象的なのは名作『深夜特急』の旅の途中、パリのオルリー空港において沢木耕太郎は藤圭子と会っている、というくだり。この本『流星ひとつ』の中でも割りと詳しく記述しているので、読むと『深夜特急』のことを思い出す。これは読んでいてかなり気分のいいものです。
それにつけても、このインタビューが行われたのは1979年。沢木31歳、藤圭子28歳の時である。で、それがなぜ今この時期(2013年10月)に刊行されたのかわ言わずもながで、それは今なら売れる!からであろうと・・・思ったら大間違いで、沢木は本書刊行直前に新たに書いた「あとがき」でその真実について書いている。興味を持てる方は是非読んでみてほしい。わたしは変に茶化す事をはづかしく思うほど感動してしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月19日
- 読了日 : 2013年12月19日
- 本棚登録日 : 2013年12月8日
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コメント 1件
Pipo@ひねもす縁側さんのコメント
2013/12/19