戦闘妖精・雪風〈改〉 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-27)

著者 :
  • 早川書房 (2002年4月15日発売)
4.07
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本棚登録 : 2888
感想 : 317

<発>
シリーズ最新刊『アグレッサーズ』の紹介が例によって「本の雑誌 新刊めったくたガイド」 に載っていた と思うw。調べるとこの『戦闘妖精・雪風(改)』がどうやら一番のっけのやつみたい。かなりの人気シリーズの様子。すかさず手に入れて読む。いやはや僕にとってSFは読む動機付けさえ見つければなんでも面白いんだなぁ~ という事を改めて認識する。

しかし主役たる” 雪風 ” は,味方を見殺しにしても帰投することを第一目的とした言わば戦闘しない偵察機 ってのが売りな筈なのに,物語ではのっけから敵と戦ってばかりだな。ま,いっか。異星人との戦争SFなんだから戦うしかストーリーが無い!って途中から開き直ったんだろうなぁw。あ,久々の分かり易いニッポンのSF作品だったので,興奮して少しネタバレ感想してもうたかな。やれやれ。すまぬ。

ちょっと気になる事がある。主人公の「零」の読み。これ一体なんて読むのが正解なんだ。大抵の小説作品は人物の名前について最初に登場した時にその読み仮名が振ってあるのだが、本作にはそれは無い。もっと云うとどんな漢字にも読み仮名はふられていない。
本作「零」以外のほとんどの登場人物名はみんなカタカナ(主に欧米人)なので「零」以外の人名にフリガナは不要なのだけれど それにしても一つも無い。
いやあった "RDY" というアルファベット三文字省略語には ”レディ” というフリガナをふっている。おそらく作者のオリジナルで ”準備” を意味させる短縮語だろうけど、どうしてそこだけ読み仮名なのだろう。著者オリジナル だからか?だったら人の名前は作者の一番のオリジナルだろうがっ!)

漢字に一切のフリガナが無い件に鑑みて。この雪風シリーズの古くからのファンの読者諸兄様は「零」をなんとお読みですか。僕は普通に「レイ」ですが別に「ゼロ」だって「ミオ」だってかまわない筈。(知らなかったが今回調べて「零」は「あま、しずく」とも読めることを知った。雑知識が増えて良かった。でない とこの件から得るものは 作者と出版社の手抜きに気づいた事 以外には無いところだったw)

さらに僕りょうけんの辛らつ感想は続く。「戦闘妖精」とはいったいなんぞや。何か物語の中身と関係あるんかい。単純にそれらしき雰囲気(ファンタジーSFっぽく見せかける)を醸し出すためだけにつけた題名だろ。そうとしか思えん。思えんがいまさらどうでも良い。そんな変な雰囲気偽装などしなくとも本作はそこそこ面白いんだから。

それにしても巻末に二つもある 解説 はどっちもつまらん。ページの無駄でしかない。せっかくの面白いSF小説作品なんだからこんな駄解説は要らない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月7日
読了日 : 2022年12月7日
本棚登録日 : 2022年12月3日

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