数年前に他界された森毅先生の大学教育論。
腑に落ちるところと落ちないところが混在しているのは理系研究者の王道ならではという印象。
まず一つ。外圧がないと変わらない。という部分。これについてはもう言うまでもない。政治的に自立していないことの証左が外圧の利用であって、問題外だというのは何人もの文系知識人層が指摘していること。
今一つ、少人数指導が機能しないのではないかという点。ガラス張りにする逆効果として隠れる部分が無くなるのは危険ではないかという指摘。何でもかんでも根掘り葉掘り常に突っ込むわけでなない点と、所詮人間関係なので少しずつ関係を深化していくことで距離感をつかむため、必ずしも懸念するに及ばない。ただし自分自身を振り返ってみればの話である。
全体的に一昔前の議論という観は否めないけれども学際領域での研究は京大がまだ分がある・東大の学生が明治に聴講に行かないという風潮はよくない、など興味深い指摘も。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年8月29日
- 本棚登録日 : 2012年8月22日
みんなの感想をみる