心が洗われて、あったか~い気持ちになれた 物語…
雨宮鳩子(通称ポッポちゃん)は文具店兼、代筆屋を営み鎌倉に住む二十代後半の女性。亡き先代(祖母)に厳しく育てられ確執のあった過去を引きずり生きている。代筆屋というのは依頼された手紙を綺麗な文字で書く仕事なのかなと思いきや、読んでみたら違うと、わかった。それは依頼人の心に寄り添い筆跡、文面、紙の素材、筆記具や切手に至るまで細部にわたって、こだわり相手に想いがちゃんと届くように作成するというとても大変なお仕事だった!
借金の断り状、絶縁状、離婚の報告の手紙、天国からの手紙、等々…どう書いて良いか悩ましいものばかりの依頼。それらが完成した手書きの手紙が所々に出てくる構成は楽しくて良かった。
そんな中でもポッポちゃん自身が天国の祖母に宛てた手紙が私は、やっぱりいちばん心に刺さった。おばあちゃんと生前呼べずに先代としか呼べなかったポッポちゃんの固くなっていた心がほどけていく所。祖母の不器用な愛情に気づけた所。祖母自身も生きることや孫を育てることに必死だったんだというそんな想いを理解できた所。仲違いしたまま祖母が逝ってしまった…という後悔の気持ちと謝罪の気持ち、そして感謝の気持ち…。たくさんの想いを込めた手書きの手紙だった。読んでいて、熱いものが込み上げてきた……。
天国でこの手紙を読んだらポッポちゃんのおばあちゃんだって泣いてしまってるだろうな。。。きっと!!
頂くと手紙って凄く嬉しいもの。
そう…わかっていてもなかなか書けないのだ……。
手紙…書いてみよう。
- 感想投稿日 : 2023年3月17日
- 読了日 : 2023年3月17日
- 本棚登録日 : 2023年3月10日
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