不思議なタイトルで凄く気になってました。
多くの皆様の素晴らしいレビューにも心惹かれた本です。
ありがとうございました。
『えーえんとくちから
えーえんとくちから
永遠解く力を下さい』
何度も読んでみました。いつもは黙読なのですが、
音読もしてみて読んでみました、何度も何度も。
祈りにも似たような静かな思いでもあり
魂の叫びのようにも聴こえる強い願い。
永遠解く力…を切望する……言葉が伝わってきました。
2009年に、惜しまれながら26年の生涯を閉じた夭折の歌人である笹井宏之さん。15歳の頃から身体表現性障害という難病になり長く療養生活を強いられました。短歌、詩、そして未発表のエッセイ、俳句等々を含む文庫版の作品集です。
心に響いたり、好きだなと思う短歌、詩、エッセイなどの作品に付箋を付けてみましたら、付箋だらけになってしまいました。幾つかご紹介します。
【詩】
わたしのすきなひとが
しあわせであるといい
わたしをすきなひとが
しあわせであるといい
わたしのきらいなひとが
しあわせであるといい
わたしをきらいなひとが
しあわせであるといい
きれいごとのはんぶんくらいが
そっくりそのまま
しんじつであるといい
【短歌】
・半袖のシャツ 夏
オペラグラスからみえる
すべてのものに拍手を
・手のひらのはんぶんほどを貝にして
あなたの胸へあてる。潮騒
・風。そして
あなたがねむる数万の
夜へわたしは
シーツをかける
・天井と私の間を
一本の各駅停車が 往復する夜
・風という名前をつけてあげました
それから彼をみないのですが
- 感想投稿日 : 2023年3月25日
- 読了日 : 2023年3月25日
- 本棚登録日 : 2023年3月23日
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