中島敦 × ねこ助さんコラボ作品
「山月記」読みました。
素晴しい作品でした!!
この作品は以前に、図書館で数頁、捲ってみて、難しそうで棚に戻して帰ってしまっていたのです…。
ですが、ブク友の皆様の素敵なレビューを次々と読んでいて、たまらなくなり、この度、挑戦しました。
難しくても頑張って読めたことも嬉しかったです。
この作品。
人の心が、…姿までも…獣に変えてしまったのだろうか…というような衝撃的なものでしたが、
それを格調高い漢文調のような硬い表現で淡々と書かれていて
ストレートに心に突き刺さってくる感じがしました。
淡々とした中にも時々、感情的に描写された部分もあったりして、人の心の弱いところや人間らしい部分に共感も出来て、辛く苦しく切なく心にしみてきました。
虎の姿になっても、声で気がつく故人(友)に
何故、こんな運命になったか、を話すところが印象深いところでした。
自分は詩人として名を成そうと思いながらもできなかったことがある。
それは進んで師に就いたり、求めて詩友と交わって、切磋琢磨に努めたり、俗物の間に伍する事も潔しとしなかったこと。
それは、我が「臆病な自尊心」と、「尊大な羞恥心」との所為(せい)だったと…!!
人間は誰でも猛獣使いであり、己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だったのだ。
虎だったのだ、
と話すのです…。
人間なら誰しも大なり小なりそういう部分はあると思うし、最後に友達に辛い胸のうちを話せて救われたのだと思います、少しでも…。
この作品の世界観が…凄〜く良くて、好きです!!
しみじみと心に響いて余韻が残りました。
ねこ助さんのイラストもとっても素敵でした…!
- 感想投稿日 : 2023年8月18日
- 読了日 : 2023年8月11日
- 本棚登録日 : 2023年8月11日
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