芭蕉関連で1989年に読んだ本書を再読す。近世日本文学史を専攻する著者は、やはり何年も推敲をかけた「奥の細道」や、芭蕉死後に版行された作品を、文学的視点で解説する。芭蕉は、江戸で俳諧宗匠としての地位を築き、西行を始めとした豊富な古典の知識を持ち、旅に生きることを生き甲斐としていたことは理解できた。しかし、嵐山光三郎氏の著作を読むと、作品群は芭蕉自身の利潤を追求するものではなく、別の目的があると思えてくる。文学作品としては真の目的を隠すための虚構や省略があったと思えるのは穿ちすぎか?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
江戸
- 感想投稿日 : 2020年8月23日
- 読了日 : 2020年8月23日
- 本棚登録日 : 2020年8月23日
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