華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF フ 16-7)

  • 早川書房 (2014年4月24日発売)
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感想 : 461
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文庫本の裏表紙に書かれている本書の紹介は下記の通りだ。

【引用】
華氏451度-この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく・・・本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!
【引用終わり】

この紹介文から予想していた本書のイメージと実際に読んでみての感想は大きく異なっていた。
上記の紹介文を読んで、この物語は「1984」みたいな話だと勝手に思い込んでいたが、そこは予想とは大きく異なっていた。本が禁制品となっている時代の背景などは、確かに物語の中で語られているが、それが中心的なテーマではない。もちろん色々な読み方はあるが、紹介文で書かれているような「現代文明を鋭く風刺」したものとしては私は読まなかった。むしろ、特に後半はシンプルなアクション小説的な風合いを楽しんだ。人間にとっての本の大事さも描かれているので、物語は「焚書」である必要はあったのであるが、それも物語の最後の部分で描かれており、全編を通してのテーマではない。
それともうひとつ、これも、読む人によって異なるであろうが、私は物語の最初の2/3はかなり退屈しながら読んでいた。残りの1/3は逆にすごく面白く、一気に読んだ。この後半の部分がアクション小説風であると感じながら読んでいた部分である。感覚的には、前半2点、後半5点(以上)という感じであった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月17日
読了日 : 2021年9月17日
本棚登録日 : 2021年9月16日

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