米原万里の書評集。週刊文春に連載していた「私の読書日記」と、各誌・紙に書いていた書評を集めたもの。文庫本には、井上ひさしと丸谷才一の解説がついている。
「打ちのめされるようなすごい本」という題名の書評集であるが、本書を読んだ人は、米原万里のすごさに打ちのめされる部分があるのではないか。その読書量、博覧強記さ、歯に衣着せぬ表現、書かれていることの鋭さと独特の感性。米原万里の本を読むのは5-6冊目だと思うが、あらためてすごい人だったのだと感じた。
週刊文春の「私の読書日記」の連載は、2006年5月18日号まで続いている。一方で、米原万里が癌で亡くなったのは、2006年5月25日。亡くなる直前まで連載を続けていたことが分かる。
「私の読書日記」の最後の方は、癌治療に関しての本の紹介と共に、ご自身の治療記録が書かれている。闘病記と呼んでも良いだろう。これだけの闘いに勝てずに亡くなってしまうことが分かりながら読む闘病記は切ないものがある。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年8月11日
- 読了日 : 2021年8月11日
- 本棚登録日 : 2021年8月11日
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