着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房 (2021年10月11日発売)
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本棚登録 : 1117
感想 : 25
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本書は、学習参考書である。高校初年生向け、つまり中学を出たばかりの人のために作られたものとして、昭和38年(1963年)に刊行された。その後、改訂がなされたのだと思うが、私が読んだこの本自体は、「新訂版」として、2021年10月に、ちくま学芸文庫の中の1冊として発行されたものである。
高校時代に「現代国語」という科目があった。当時から本を読むのは好きだったので、この「現代国語」という科目は嫌いではなかった。「国語」は、この現代国語・古文・漢文とセットで、大学入試の受験科目の1つであった。入試のために「国語」の勉強をしたかというと、古文の文法を勉強したり、漢文を読み解く練習をした記憶はあるけれども、「現代国語」をわざわざ入試用に勉強した記憶はない。ということは、私は、この本で、初めて「現代国語」を学習参考書を使って勉強したことになる。
本書は、「文学的な文章」の読み方のパートと、「論理的な文章」の読み方のパートに分かれている。それぞれのパートの中に、細かいテーマを設定し(例えば、「文学的な文章」のパートであれば、大きくは「解釈の基本」「登場人物について」「構成・表現について」「作者について」と別れ、それぞれが更に、細かいテーマに分かれている)、そのテーマごとに、①解説をほどこし②「例題」を用いて具体的に読み解き③「練習問題」によって実際に自分で試してみる、という構成になっている。
このように、「精密に」文章を考え、実際に読んだことはなかった。もちろん、文学的な文章にせよ、論理的な文章にせよ、意味が分からない、筆者の意図が分からない時には、丁寧に何度も読んでみるということはあったが、この本は、その仕方を解説してくれている。
本書を一度読めば、そういったことが身につくわけでもないが、少なくとも、しばらくは、精密な読み方を意識するようになるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月21日
読了日 : 2023年2月21日
本棚登録日 : 2023年2月10日

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