「コラム道」という題名の通り、小田嶋隆が、コラムの書き方についての自分なりの考えを書いたもの。でも、これをコラムの書き方の指南書あるいはマニュアルとして読んだ読者は、私を含めて、いないと思う。そうではなくて、小田嶋隆の説明の仕方というか、書きぶりというかがとても面白く感じて読んでいるのだ。コラムの書き方という「コンテンツ」を楽しんでいるわけではなく、コラムの書き方というテーマについて何かを書いている、その書き方・書きぶりを楽しんでいるのである。実際にそれが本書で小田嶋隆が説明したかったことだと思う(「それ」というのは、「それがコラムだよ」ということ)。
最後に内田樹との対談が掲載されている。
内田樹も好きな作家の一人である。これまでも、内田樹と小田嶋隆は、何となく似ているな、と思っていた。対談の中で小田嶋隆が内田樹を評して言う場面がある。整理して言うと、「内田樹の話は着地しない。結論を提示するのではなくて、結論に至るまでの行ったり来たり、モノを考えること自体の楽しさを見せている」ということを言っている。それに対して、内田樹は、これも整理して言うと「本当にどこに着地しても良いのだ。だいたい一回ごとに言うことも違ってくるし」と答えている。
「結論やコンテンツを重視している訳ではなく、そこに至る道筋の作り方を重視して楽しんでいる」ということが、二人の共通点だったのだ、ということに納得した。
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- 感想投稿日 : 2022年7月22日
- 読了日 : 2022年7月22日
- 本棚登録日 : 2022年7月22日
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