たくさんの本を読んでうまくまとめた本です。結局、何でも脳のせいにする「あたまのよくなる本」にだまされるな。心の問題(「ハード・プロブレム」)はいろいろ議論があるけど未解決だし、解消するかもしれんが、これからも解決しない。しっかり自分で物を考えろ、そうしないと科学をかさにきる得体のしれない権力で行動をコントロールされて家畜化されちゃうよ(もうそうなっているけど)ということ。哲学史の記述や脳科学の記述はテーマ別にうまくまとめてあるが、第三章の二律背反と心脳問題の部分だけでいいような気がする。あまり物を考えない読者を想定して、語りかけるような文体だが、もっと注釈に追い込んで、きびきび書いて薄くした方が「脳の世紀を生き抜く」ことが必要な多くの人に分かってもらえると思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2008年8月31日
- 読了日 : 2008年8月31日
- 本棚登録日 : 2008年8月31日
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