あくまでも作家が書いた書物なので、科学的な論証に厳密なわけではなく、しばしば強引な断定があるが、それでも実に興味深い論である。この本は進化論者、動物行動学者、獣医などが主張しはじめているヒトとイヌの「共進化」を書いていて、著者の立場はこれを一歩進めて、農耕の発生以前に家畜化していたイヌとヒトは、もっとも長いつきあいであり、例えば嗅覚の退化など、ヒトの肉体的変化ももたらしたが、人間の愛情や社会性にもイヌの影響があるとしている。動物のなかで種をこえてほかの動物に興味をもつという一般的傾向があるのは、イヌとヒトだけであるという。
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2013年7月7日
- 読了日 : 2013年7月7日
- 本棚登録日 : 2013年7月7日
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