堀辰雄の比較的長い小説。幼なじみの明と菜穂子の物語である。菜穂子は平穏な結婚に逃げ込み、波風を立てたがらない圭介と圭介の母の家で他人の中に暮らしている。そんな中、菜穂子は胸を病み、サナトリウムに転地する。明は建設会社で自分の本当に求めるものはなんだろうかと悩みながら仕事をしている。細かい筋を省略すると、これまた胸を病んだ明が自分探しの流浪の旅の途中で、菜穂子のサナトリウムの訪ねていき、菜穂子はそっけなく対応したあと、後悔し、すべてを投げ出したくなり、なぜかサナトリウムを抜けだし圭介に会いに行き、ありていにいえば、圭介に迷惑がられるという話である。とにかく心理描写や登場人物の相手の心理の読みあいが複雑で繊細である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2013年2月7日
- 読了日 : 2013年2月7日
- 本棚登録日 : 2013年2月7日
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