ディファレンス・エンジン(上) (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2008年9月15日発売)
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感想 : 4

お話はヴィクトリア小説なんだけど、チャールズ・バベッジら産業急進党が政権をとって、機関(エンジン=蒸気コンピュータ)で社会を革新している世界のことが書いてある。

第一章の主人公はシビルという女性で、ラッタイト運動の指導者の娘だが、高級娼婦に零落している。ミックという機関成金とフランスにいくために、ミックが働いているテキサス元大統領の演説会に、シビルはサクラとして参加するが、テキサスからの暗殺者(ゴーリアドの天使)によって、ミックは殺され、シビルは単身どこかに向かう。

第二章と三章はアメリカのワイオミングで、ブロントサウルスの化石を発掘したマロリーが主人公。悪漢に襲われていたエイダ・バイロンを救って、なぞのカード(=プログラム)を預かる。これで恐喝されるという筋である。蒸気ガーニー(=自動車)レースで、友人の車に賭けて大儲けをする。この車は「機能が形態をつくる」という進化論(形態学)の理論で作られている。この作品世界を説明している部分で楽しいが、いまとなっては斬新ではない。

スチームパンクを有名にした作品である。1991年

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2021年11月10日
読了日 : 2021年11月27日
本棚登録日 : 2021年11月10日

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