この人のような女性とゆっくり話をしていたいと思う。どきどきするような話ではなく、ずっとわかっていたことなのに、いつの間にか忘れていたことを、互いに思い出すような話をしていたいと思う。
自我の話が特に心を打ってきた。自分の中にある何かに、はっと気づかされたような気がした。確かに、「誰かのためになるようにしよう」とか、「思いやりがあり人の苦しみを我がことのように感じられる自分」とか、そういうのはお酒よりも酔いやすいものなのだ。で、それに酔っている自分というのは、酒乱よりも始末に負えないことを、僕もよく知っているはずだ。
ふーっと思いながら、ゆっくり読んだ。だんだん怖くなりながら。タイトルほど、優しい本じゃない。厳しいよ、実に。
2005/10/3
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ・対談など
- 感想投稿日 : 2010年8月28日
- 読了日 : 2005年10月3日
- 本棚登録日 : 2005年10月3日
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