大あたり殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 2-3)

  • 早川書房 (1977年11月1日発売)
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本棚登録 : 112
感想 : 14

 後悔してしまったのは、先行する「大はずれ殺人事件」を先に読まなかったこと。読む進んでいくうちに、シリーズと言うよりも続編、続編と言うよりも、いわば「下巻」であることがよくわかってきた。だから、もしこれから読む人がいたとしたら、絶対に「大はずれ」の方を先に読むことを勧める。その方が何倍もおもしろいと思う。
 では、読んだこと自体後悔したかって言うと、そんなことはない。とても楽しませてもらった。特に探偵役を務めるマローン氏のキャラクターがいい。優秀な刑事弁護士で酔いどれ。でも「酔いどれ」が全然暗くない。というよりユーモアミステリとでもいうジャンルの傑作で、読みながら思わずほほえんでしまうことが多かった。トリックとか真犯人とかいうよりも、登場人物達の時におしゃれで時に真剣さが笑いを誘う、そんな魅力にはまった方が楽しい作品である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外の小説
感想投稿日 : 2010年8月17日
読了日 : 2002年10月12日
本棚登録日 : 2002年10月12日

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