ミステリ愛好会を舞台にして、古典的な密室殺人がひとつ。するすると読める文章と印象的な登場人物。なかなか充実した作品である。
密室トリックは、単純だけど盲点を突いたものであり、興味深かった。半分まで読んだあたりで、最大の謎である密室の謎が解けてしまうあたりも意外性があった。もちろん、それでミステリとして尻すぼみになるわけではなく、だからさらにミステリらしくなっていくのである。
探偵役であるダイヤモンド警視も、個人的な魅力もあってよい。ぶっきらぼうで不作法であるが、時々ちらりと見せる優しさが印象的だ。ライバルである警視に対する子供じみたライバル意識もかわいいし、部下である女性警部に対して示す気遣いや照れも読んでいて嬉しくなる。
なんかこう書いていると馬鹿みたいだけど、けなす要素があんまり見あたらないのである。
2009/9/28
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外の小説
- 感想投稿日 : 2010年9月23日
- 読了日 : 2009年9月28日
- 本棚登録日 : 2009年9月28日
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