モーパッサン(1850-1893)は、19世紀フランス文学を代表する短篇小説の名手で、実に300篇以上にも及ぶ短篇を書いたそうです。本書はその中から厳選された15篇が収録されていますが、どれも面白く読めました。
語り口の上手さももちろん良かったのですが、個人的にはストーリーの巧みさを堪能できました。同一作家の短編集だとどうしても結末の雰囲気が読めてしまうところがあったりするんですけど、本作はバッドエンド、サプライズあり、シュールに締めたものなど実にさまざまで、オチが予想できないものばかりでした。
全体としては戦争に絡んだ悲しいお話がやや多かったように思いますが、一番楽しめたのはやっぱり「首飾り」かな。悲劇と喜劇は紙一重っていう意味で。現代ではありふれた手法ではありますが、発表当時は画期的だったんじゃないかなあと想像します。
一篇一篇が短いので、あまり時間がない時でもとっかかりやすいところもいいですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外
- 感想投稿日 : 2020年1月19日
- 読了日 : 2020年1月19日
- 本棚登録日 : 2020年1月19日
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