現代の日本の家族関係をカウンセラーとして日頃より関わっている著者の経験に基づいて論じている。
家族関係は時代と共に変化していくものである。それは社会の変化と呼応しているだろう。しかしここ20年ほどの間での変化はあまりにも急激なものだ。バブル時代が終わり、日本の経済事情が変化し、低成長時代になった。それに伴い家族関係も急激に変わっていった。
子供は社会人になれば将来的には親の収入を追い抜いていく、子供は親を追い越していくという「常識」は消滅した。そしていつまでも親に頼らなければ生きていけない子どもたちが多く発生した。
ここ20年ほどの短期間でこれほどまでに「家族」という概念が変化してしまい、日本人はそれに追いついていけない、受け入れられないのではないだろうか。
「金しだい」という衝撃的な題名であるが、実際お金に関する問題解決なくして現代の家族関係は成立しないということはこの著を読めば明白である。冷静に家族間の問題(お金の問題)を受け止めなければ、新たなる一歩を踏み出せないことがよくわかる。
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- 感想投稿日 : 2017年1月14日
- 読了日 : 2017年1月14日
- 本棚登録日 : 2017年1月14日
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