算数文章題が解けない子どもたち──ことば・思考の力と学力不振

  • 岩波書店 (2022年6月14日発売)
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感想 : 28

たんなる表面的な学力ではなく、学びの前提となる言葉の理解力や数や図形の知識・推論の能力を客観的に測る「たつじんテスト」を開発した経緯からテストの設計、それを使った調査の分析を通じて、こどものつまずきの原因をさぐる試み。
テストの誤答分析からどんな力が足りていないのか知り、指導や支援に活かすという取り組みは大事だとずっと思っていたので、こういう研究がすでにここまで進んでいたと知ってうれしい。出題内容、実際の正答率や誤答例、興味深いデータが盛りだくさんでありがたい。

結論として「ことばや数字を直接教えるより、子どもが言葉や数に自ら自然に興味を持つように環境を整えることが、就学後の学力を高めることにつながる」としているのは、想定の範囲内というか、経験的にも納得のできるまとめだと思う。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 言葉・専門書・テキスト
感想投稿日 : 2022年7月3日
本棚登録日 : 2022年7月1日

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