10このちいさなおもちゃのあひる

  • 偕成社 (2005年10月1日発売)
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本棚登録 : 164
感想 : 17

2021年5月23日にエリック・カール逝去の報に接して、追悼再読。
その3冊目、初版は2005年(英語版も日本語版もほぼ同時のよう)で、初版をすぐに入手している。ちょうど次女の1歳の誕生月なのでお祝いにしたのかもしれない。最後の頁のボタンを押すとアヒルの鳴き声が聞こえる、わがやで唯一の音の出るしかけ絵本。

この作品の制作のきっかけは2003年のアメリカの新聞にのった記事、太平洋の真ん中で海に落ちたおもちゃのあひるが10年以上海を漂ってアメリカの海岸に流れ着いたという実話とのこと(作品冒頭に解説あり)。
くどうなおこさんのリズミカルな語り口にのってページをめくっていくと、10このおもちゃのあひるたちが東西南北にてんでばらばらにゆられていってさまざまな海の生き物にであった場面がまるでポスターか画集のように美しくてとてもたのしい。楽しいだけじゃなく、大海をただようアヒルの孤独もそこはかとなく伝わってくる。

この絵本は子ら(とくに次女とぼーず)にほんとうに愛されすぎて、ほとんどの頁がメンディングテープや修理用フィルムではりあわされていてボロッボロだが、今見ればそれも愛しい。
今日、ひさびさに最後のページのボタンを押してみたが、もうアヒルの声はきこえなかった。くわっこきーこ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・児童書
感想投稿日 : 2021年5月27日
読了日 : 2021年5月27日
本棚登録日 : 2021年5月27日

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