月日の残像

著者 :
  • 新潮社 (2013年12月20日発売)
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本棚登録 : 114
感想 : 22

2023.12.3市立図書館
訃報を聞いて、追悼読書用に。「考える人」に連載されたエッセイ(2005年冬号〜2013年夏号)の書籍化。脚本を書いたドラマや小説にはまったく縁がなかったが、目を向けていること考えていることはとても興味深い(ということを、頭木弘樹さんの本にたびたび引用されているところから知った、そのひとつ、車中でバナナをすすめられて食べなかったエピソードもこの本で改めて読めた)。
木下恵介の葬儀の後の話は怪談のようでおどろいた。結核で早逝した兄の恋人の話を始め、事実は小説より奇なりといいたくなる話も多く、中盤の「女と刀」あたりから俄然おもしろくなった。

この人の文章は急いで読めるものではないから文庫版(新潮文庫2016)でも手に入れようかと思ったのだが、店頭在庫もないしウェブストアでの扱いもないようなので困っている。時間切れで半分ちょっとまで読んでいったん返す。

2024.3.1市立図書館再借り出し
最後まで読み終えた。亡父が山田太一のドラマをみていたかどうか知らないけれど、根のところの考え方などはけっこう近いのではないかなと思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2023年12月3日
読了日 : 2024年3月5日
本棚登録日 : 2023年12月3日

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