いっぴきの虫 (文春文庫 た 37-11)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年10月7日発売)
3.42
  • (3)
  • (7)
  • (6)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 94
感想 : 6
5

1970-72年に雑誌掲載され、のちに出版されたものの復刊、ほりだしもの。女優としての仕事はほとんど知らないが、文筆家としての高峰秀子はやっぱり一目も二目もおける人で、この本は対談と随筆(回想)がふしぎにとけあった文章。
東海林太郎や趙丹(中国の俳優)とのエピソードには人間と人生の深みを感じる。対談は、有吉佐和子、東山魁夷、松下幸之助、円地文子、森繁久彌、團伊玖磨、木村伊兵衛、市川崑、梅原龍三郎・・・どんなスゴイ人とでも臆せず率直に向き合える。そして、その人の魅力を余さず伝えて読み応えじゅうぶん。掉尾を飾る夫・松山善三との文章対談は傑作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫
感想投稿日 : 2011年10月14日
読了日 : 2011年10月13日
本棚登録日 : 2011年10月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする