ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)

  • 福音館書店 (1977年3月20日発売)
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本棚登録 : 287
感想 : 49

2015.9.19市立図書館
40ページあまりのささやかなお話。
このお話については、いろいろな批評がでているけれど(河合隼雄や赤木かん子、清水真砂子のは読んだが他にもあるらしい)、わたしにとって、めすねずみの鳩への感情は友情とも恋・愛情ともちがう、でもとても尊い気持ちだという印象だった。そしてそれは、鳩から見たことのない世界の話を聞くことでしだいに養われた「想像力」によってうまれた感情なのだと思う。
遠いものへ憧れ、他者への共感、そうした気持ちを通じて行動する源泉である想像力をもって、ねずみはちょっと変わった、でもひいひいまごたちから一目置かれる存在になり得たのだろうな。想像力を得ても、ねずみは自分のテリトリーから出て行かず、相変わらずの暮らしのまま老いたけれど、それでもねずみはしあわせだったのだとわたしは思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・児童書
感想投稿日 : 2015年9月19日
読了日 : 2015年10月17日
本棚登録日 : 2015年9月19日

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