50年前の本だから、考え方が古い箇所も多かったが参考になった部分もあった。
この本では基本的に子育てについて神経質にならないことを推奨している。例えば、生まれてすぐの3時間毎の授乳はそこまで厳格になる必要はない。赤ちゃんがお腹が空いて泣いていたら3時間経ってなくても授乳していいし、逆によく眠っていたら3時間経ったからと言って無理に起こして授乳する必要はない。
でも、初乳は頑張って飲ませるべきと指摘している。また、母の仕事復帰などの事情があるにしても、少なくても産後3か月は母乳育児を推奨している。
赤ちゃんのは脚はガニ股が自然。無理に真っ直ぐにしようとしたり固定したりすると股関節脱臼になる。
また排便も赤ちゃんの個性が出る。今まで毎日排便していた赤ちゃんが、2-3日に一度になっても慌てる必要はない。それよりも赤ちゃんの泣き方や機嫌の良し悪しを注意深く観察すること。
いつもと違う泣き方、異常に機嫌が悪いと判断した時は病院に連れて行くこと。
逆に機嫌が良いなら少しばかり下痢をしたり湿疹が出たり、咳が出るからといってすぐに病院に連れて行く必要はない。毎月のように病院に行っていたら待合室で本当の病気をもらってしまう。
昨今の栄養指導は栄養不足よりも栄養過剰の方が多いから要注意。特に粉ミルクをあげている時、缶に書いてある量は多すぎるから、赤ちゃんが足りなそうにしていても、缶に書いてある以下で抑えないといけない。
腸重積という腸がねじれる病気に0歳児はなることがある。これは早期発見が何より大切。治療が遅れれば死に繋がる。赤ちゃんが突然異常に泣き出し、お腹を痛がったら腸重積を疑うこと。熱もないし、嘔吐もないから判断が難しい病気である。小児科医でも見落とすことがしばしある。
0歳児は、月齢毎に詳しく気をつけるべき病気や事故のことが書かれている。
50年以上も前に書かれた本だけあって、今のライフスタイルとかなりずれている箇所も多かった。団地住まい前提など。
逆に現代にも通じる箇所も多かったため、50年前と今の育児を比べて考えることができた。
また、この本を読んで、今の安全で安定した育児は、これまでの赤ちゃんの病気や事故など、たくさんの悲劇をもとに改善され、成り立っているのだなと改めて感じた。
まだまだ手探り状態である部分も多い、子供のことについては、今後時代が進めばまた変わる部分も出てくるのだろうと思う。
- 感想投稿日 : 2023年12月21日
- 読了日 : 2023年12月9日
- 本棚登録日 : 2023年12月6日
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