最初はなんとなく入り込めない感じだったけど、中盤からするすると取り込まれて終盤の秘密が明かされる頃にはすっかり只中にいる感じ、もう一度読むとそもそもハナコが自分の人間関係に入り込めていないからなんだなと納得する。
深く考えずに典型的な女の子を演じて、「秘密」を経て断絶し、正しい世界の中でひとりになっていく、外れていってしまう。野中さんらしいおいしそうな食べ物の描写すらグロテスクに感じられてきりきりする。
でも、やっぱりハナコは「声」を聞きたいんだ、愛をもって、愛を求めているんだよね。そこが、この物語をティーンらしからぬ秘密への絶望じゃなくて、ティーンらしい未来に向かう力に導いている…と思う。すごい。わかるかと言われればわかんないところもかなりあるけど、面白かった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年8月26日
- 読了日 : 2019年8月17日
- 本棚登録日 : 2019年8月26日
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