ワン・モア・ヌーク (新潮文庫 ふ 58-1)

著者 :
  • 新潮社 (2020年1月27日発売)
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本棚登録 : 447
感想 : 51
4

面白かった!
初めの方は聞きなれない用語も多くて、入り込むのに時間がかかったけど、半分過ぎたらのめり込んでしまった。
警視庁チームとCIAチーム、但馬、イブラヒムの4者がお互いに裏をかきあって二転三転していく書き方が素晴らしかった。
ただ、終盤、イニシエーションボルトをイブラヒムに引き抜かせる描写があったが、引き抜かせたら再び差し込むリスクがあることぐらい但馬なら予測できてたはずでは?と疑問に思う。
現実に、核兵器禁止条約が国連加盟国の2/3近くの賛成を持って採択されても、1/4近い国が批准していてもも核廃絶は遠いまま。但馬のやり方には賛同できないが、世界は核がどのようなものなのか正しく知らなければならないし、作中の言葉を借りるなら正しく恐れなければならないとは思う。
この本が2020年の2月に出されたこと自体とても挑戦的だし、自分ごととして考えろよと言うメッセージが込められているんじゃないかと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月21日
読了日 : 2022年12月21日
本棚登録日 : 2020年2月13日

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