なぜリベラルは敗け続けるのか

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  • 集英社インターナショナル (2019年5月24日発売)
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私自身はリベラルの考え方は好きですが、左派のやり方は苦手です。
(「保守」政党も革新政党も支持していません)

岡田さんは比較的まともなほうだと思いました。ただ、こんなに難しく書く必要はなくて、「リベラル」の人たちは、ちょっとでもスタンスの違う人とは一緒に行動できないからと「異分子」を排除して、細分化してきた。ある組織で「排除」をしていくということは、そこにいてもいつか自分が「排除」されるかもしれないという不安が常につきまというということ。「保守」支持でなくても、リベラルを支持しない人たちは、それに気がついているんです。

共産主義もある種性善説に基づいていると思いますが、戦後日本の民主主義も結局、どちらかというと性善説に基づいているから、今の政治腐敗につながっているような気がします。「人間は悪いことをするもんだ」という前提に立たないと、民主主義ってうまくいかないのかな、なんて、ちょっと落ち込んだりもしました。

あらゆる「政治」は、共生のための落としどころをさぐっていく、特に民主主義は非常に面倒なシステムです(そういう意味では、戦後昭和の保守政党は、わりと本当の意味での保守だったような気がします)。白黒ハッキリすることは人間社会ではほぼなくて、だいたいがグレーなのです。そのグレー、「清濁併せのむ」ことができるかどうか。面倒事が嫌だというなら、どうぞ全体主義になってください、ということだと思います。われわれ有権者には、その面倒事を引き受ける覚悟が必要なんだと思いました。

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感想投稿日 : 2022年11月15日
読了日 : 2022年11月15日
本棚登録日 : 2022年11月15日

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