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  • 文藝春秋 (1991年11月1日発売)
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本棚登録 : 233
感想 : 26
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スティーブン・キングの長編小説。異界の生物ペニーワイズと少年たちの戦いを描いた物語になっている。
メイン州バンゴア周辺の架空の街デリーが舞台になっている。街に潜み子供を殺してまわるピエロの姿をした生き物と5人の少年、1人の少女たち”はみだし組”がペニーワイズの戦いに巻き込まれていく様が描かれている。
また過去の結末から30年以上経過した”はみだし組”が戦いの記憶を蘇らせつつ過去の物語が語られていく。
以前に読んだダークタワーにペニーワイズらしき生き物が出てきたので気になって読んでみた。
上巻を読んだ感じではスタンドバイミーに魔物退治を加味した冒険ものだと思う。
心理的な恐怖を煽る手法はキングの得意としているところだけど、アメリカの日常風景や社会の病理が淡々と描かれるのは読んでいて楽しい。自分がキングの小説を読む理由も7,80年代のアメリカの日常に触れることができる点だ。文庫本4冊になるほどの長編だから若干長く退屈に感じられるのがデメリットではあるけど、気のいいアイルランド警官とのやりとりなど読んでいて和むシーンも多数あった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2019年1月24日
読了日 : 2019年1月19日
本棚登録日 : 2019年1月10日

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