『Shall weダンス?』アメリカを行く (文春文庫 す 14-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2001年9月4日発売)
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感想 : 9
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あの名作「Shall We ダンス?」がアメリカで上演されることに・・・!
上演決定から、プロモーションでのアメリカどさ回り(と言っては失礼だが)でのドタバタ、奇問珍問の飛び出す各社のインタビューなど、周防監督から見たアメリカ(&日本)映画界とは。

この本を読むまで、私の中での周防監督は「草刈民代の旦那さま」でしかなかった。ちなみに草刈民代も私にとっては「周防監督の奥さま」でしかなく、つまりは私の中でこの二人は、いつもトーク番組にセットで出ていて二人で楽しい夫婦漫才をやってくれる、そんな「理想の夫婦」でしかなかった。
ついでに言うと、そういう番組に出ている時の周防監督は「映画製作なんて別にボクの中で優先度は高くないしぃ〜」とも取れる発言をする人だった。

なので、回りくどくなったけれど、この本を読んで私が一番驚いたのは、彼がいかに映画制作に対して厳しく完ぺき主義な態度を取っているか、そして日本の映画ビジネスをここまでシリアスに考えているかということだった。
彼の作品や彼の映画に冠する考えを理解しないアメリカ人や日本人に対して彼が発する熱い怒りは、普段の温和な彼からは想像もつかない。

恥ずかしながら、このエッセーを読んで「あ、映画のあのシーンって、そういう意味があったんだ」と気付くことも多かった。私はとてもじゃないが周防監督にインタビューなんて(怖くて)出来ない。
ただ、一つだけ難点を言うと、ひたすら各地での試写会&インタビューの模様が語られていて、それはそれで一つ一つの土地で特色があるんだけど、やっぱり何十箇所分も読んでるとだんだん飽きてくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2009年8月5日
読了日 : 2009年8月5日
本棚登録日 : 2009年8月5日

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