晩鐘 上

著者 :
  • 双葉社 (2003年5月1日発売)
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本棚登録 : 171
感想 : 19
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「風紋」の続編上巻。

高浜則子が不倫相手に殺害されてから7年が経過。

娘・真裕子は事件当時、浮気をしていた父と、生活が荒れていた姉を許すことも出来ず、孤独に人生を諦めて生きていた。

加害者である松永の妻・香織は、長崎の祖父母に息子・大輔、娘・絵里を預け、子供達には母親であることを隠し、東京で再起を図ろうと男に依存し、大輔は自分を押し殺しながら生きていた。

また事件を取材した建部は長崎支局に転勤になっていた。

香織の甥で、大輔達と同居する従兄の歩が殺害され、葬儀で香織を見かけた建部は、運命的なものを感じ、犯罪関係者の顛末を記事にしたいと駆り立てられる。

祖母の体調不良、絵里の闘病のため、東京の香織のもとへ移った大輔、東京へ舞い戻った建部、東京で孤独に生きる真裕子。

加害者家族と被害者家族、3者の流れが混じり合うとき、新たな物語が始まる。


登場人物が東京へ集うあたりから、それぞれの行動や想いから、絶望、希望、欲などあらゆるものが迸る。

犯罪がいかに人生に波及するのか、一例を垣間見る感じで、続きが気になって仕方がない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 乃南アサ
感想投稿日 : 2018年11月15日
読了日 : 2012年1月20日
本棚登録日 : 2018年11月15日

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