「風紋」の続編上巻。
高浜則子が不倫相手に殺害されてから7年が経過。
娘・真裕子は事件当時、浮気をしていた父と、生活が荒れていた姉を許すことも出来ず、孤独に人生を諦めて生きていた。
加害者である松永の妻・香織は、長崎の祖父母に息子・大輔、娘・絵里を預け、子供達には母親であることを隠し、東京で再起を図ろうと男に依存し、大輔は自分を押し殺しながら生きていた。
また事件を取材した建部は長崎支局に転勤になっていた。
香織の甥で、大輔達と同居する従兄の歩が殺害され、葬儀で香織を見かけた建部は、運命的なものを感じ、犯罪関係者の顛末を記事にしたいと駆り立てられる。
祖母の体調不良、絵里の闘病のため、東京の香織のもとへ移った大輔、東京へ舞い戻った建部、東京で孤独に生きる真裕子。
加害者家族と被害者家族、3者の流れが混じり合うとき、新たな物語が始まる。
登場人物が東京へ集うあたりから、それぞれの行動や想いから、絶望、希望、欲などあらゆるものが迸る。
犯罪がいかに人生に波及するのか、一例を垣間見る感じで、続きが気になって仕方がない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
乃南アサ
- 感想投稿日 : 2018年11月15日
- 読了日 : 2012年1月20日
- 本棚登録日 : 2018年11月15日
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