え?なんで金魚が死んだらトイレに流すの?なんで飼い猫の餌にしちゃうの?
いくら集合住宅だからって、それはないだろう。
子供たちに「いのちの教育」「死・の教育」をするにはどうすればいいかが
テーマなのだが、上記の大人の行動が私には衝撃だったな。
人間を含め「生き物」を「ただのモノ」として扱うことは、おかしな生死観を
植えつけることになるんじゃないのか。だから、「死ぬ」ということが分から
ない。人に危害を加えることに疑問を持たない。
エスカレートするいじめ、それに起因した自殺、他者への暴力。想像力の
欠如と、命の大切さへの無知。それは子供だけに限らない。だって、子供
の世界は大人の世界の縮図なのだから。
最近、介護福祉施設での利用者への暴言・暴行が問題視されている。
身体の自由が利かない人でも、高齢者特有の症状を抱えている人でも、
それは命を全うしようとしている「生きている人間」なのである。
子供に「いのちの教育」が重要なのは勿論だが、大人も今一度、考えて
みる必要があるのではないか。
他者の痛みを自分の痛みとして想像出来るのであれば、「誰でもよかった」
なんていう無差別殺人だってなくなるのではないか。
人を殺してはいけません。それは理屈ではなく、ダメだからダメ。著者の
意見に賛同する。でも、日本って国は国家が人の命を奪う国なのだよな。
本書は道徳を説教臭く説くのではなく、著者のいじめ体験を基調にして
日常生活のかなでの子供との接し方等で優しく説いてくれる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
死
- 感想投稿日 : 2012年3月13日
- 読了日 : 2012年3月13日
- 本棚登録日 : 2012年3月13日
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