たまには原発肯定派の意見も読んでみようと手にしたのが本書だ。
うん、思い切り肯定している。福島第一原発の事故で、原発の安全神話
が誤魔化しの上に成り立っていることがばれちゃったが、本書で著者が
主張しているのは「放射能は危険」という神話も崩壊したってことらしい。
曰く、福島第一原発の事故で死者が出ていないから…だそうだ。いや
いや。死者が出てもおかしくない事故だったが、偶然の連鎖で原子炉
の爆発が避けられたのではないんだろうか。
発がんリスクだけを比較すれば、放射能より塩分の過剰摂取や
喫煙の方が危険だと述べているのだが、そもそも比べるものが
おかしくないか?
放射能の人体への影響は一律ではないし、発がんだけを問題に
するの乱暴じゃないだろうか。
一時期、ヒステリックな反原発運動が盛り上がった。それへの反論
なのだろうけれど今後起るかもしれない健康被害を無視して、
「大した事故じゃなかった」と断定してしまうのは危険だ。
それでも、原発推進から一転、「原発ゼロ」を叫び始めた朝日新聞
批判や、話題になれば何にでも飛び付く武田邦彦批判、胡散臭い
自由報道協会批判は面白かった。
原発肯定派の人はこういう風に考えているのかという参考には
なった。だからって、私は肯定する気はないけれど。未だに
懐疑派です。
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- 感想投稿日 : 2017年8月18日
- 読了日 : 2013年5月29日
- 本棚登録日 : 2017年8月18日
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