教育のあるべき姿を、科学的に明らかにしようという著者の情熱が感じられる本。
エビデンスがないまま、日本の教育政策が決定される現状を疑問視しており、教育における実験の重要性を学ぶことができた。加えて、「非認知能力」「学習環境」が、子供の成長にどのような影響を与えるのか理解することができた。
ただ、著者も指摘するように、元データの大半が欧米諸国の実験結果であるため、研究成果を、文化が異なる日本の教育システムに還元できるかは不透明。
とはいえ、教育現場の問題改善には、机上の議論に徹するよりも、積極的な改革をして、現場でその都度修正する姿勢が望ましい(分析データの取得も可能)と感じた。
総括すると、本書の価値は、”子供の教育の在り方”を学ぶよりも、”硬直・閉鎖的な教育システムに対する問題提起にある気がした。
そして、個人的には「貧困家庭の子供」に問題があるというよりも、それを見過ごして改善しようとしない「裕福な家庭の大人」に問題があるのではないか?と思いました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
実用書
- 感想投稿日 : 2021年9月1日
- 読了日 : 2021年9月1日
- 本棚登録日 : 2021年9月1日
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