会社の数字を科学する (PHPサイエンス・ワールド新書 13)

著者 :
  • PHP研究所 (2010年1月21日発売)
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http://matome.naver.jp/odai/2137484943230214701

カネとは、買うモノを決めてから調達する。
会社ではファイナンスによって資金を調達し(このカネは資本となる)、それでモノを買って資産とする(投資と呼ぶ)。
そして資産を使ってビジネスを行い、カネを増やす。
生まれたカネは資本に組み込まれ、再び資産に回される。この一連の流れがキャッシュフローだ。

カネの出入りは管理され、その明細をもって特定の人に報告される。それが会計だ。分類され集計されていく。

カネで買ったものが「B/S」に組み込まれる。
他方、「P/L」は原則がやや複雑。本業の費用収益をそれぞれ対応させること。計上する期間も合わせる。こうした原則によって複雑なルールが組み合わさっている


会計学は学問というよりも、集計のやり方(式)を決めただけのもので、
「どうしてそうするのか」という説明能力のない「ノット科学」です。

簿記は会計という仕事の「具体的なやり方」です。
したがってこの仕事を担当しない一般ビジネスマンにとっては
全く不要の知識です。

会計のルールを決めたときにはコンピュータがなく、
そろばんで計算していました。
そろばんにはプラス、マイナスという概念がないので
これを取ってしまおうとしました。
また、そろばんは足し算は得意ですが、
引き算は苦手なのでこの回数をできるだけ減らそうと考えました。



データを2つの箱に振り分けていくことを仕訳といいます。

2つのデータが同時に起きるので複式簿記といいます。

2つのデータを起こすことで過失、エラーをチェック、修正できます。



土地や株のように使い減りしない固定資産は減価償却しません。
(というよりできません)。
だからビジネスに使う土地をいくら買っても、
M&Aのために他社の株を買っても、費用はゼロということです。

減価償却にはもう1つの意味があります。
それは減価償却費が「入ってくるカネ」だということです。



こんな不良債権処理をするくらいなら、
銀行の融資先の会社に対して「返せ」といった方が手っ取り早いので、
決着をつける現象も見られました。
「貸しはがし」です。
こうしてバブルの決着をつけるという形で、
多くの借金をしている企業が倒産していきました。

貸していた企業が倒産すればその時に1000億円は全額損金になるので、
所得が1000億円減り、400億円分税金が減るというものです。
そこでこの400億円を税務署に貸している資産と考えます。
これを繰延税金資金といいます。

繰延税金資金という税務署に貸しているカネが、
全額返ってくるためには1つの前提があります。
それはカネを借りている企業が倒産した期に、
カネを貸している企業がその貸倒金を超える所得が出ていることです。
そうでないと税金が返ってきません。
そもそも所得がない企業の税金(法人税)はゼロで、
赤字分の税金が戻ってくるわけではありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済学
感想投稿日 : 2016年7月12日
読了日 : 2016年6月29日
本棚登録日 : 2016年6月29日

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