まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

  • ダイヤモンド社 (2008年2月1日発売)
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著書の書き方が難解で分かりにくい。気になったところを箇条書きにする。

①あまりにも高過ぎるパフォーマンスは一見スキルがもたらしたものであるかのように見えるが、それは間違っている。良過ぎるパフォーマンスは運である。過剰にマーケットに適合するとそうなる。相場というものは参加者が非常に多いので、確率論的にも数年にわたってアウトパフォームできる人間はあり得る。
会社の出世競争もこの類に似ている。運良く開拓できた、自分の在任期間時に大きい案件が決まったなどがあり、在任期間で上位に行くと次の転勤が良くなる。そこでは、良かった人間同士で争う構図になり、顧客、機会などはどんどんその人間に集まるため、一度外れると戻れない。レバ型ETFを買うイメージ。

②高パフォーマンスに陽が当たるのは生存者バイアスが働いている。下手くそは駆逐されている。

③マーケットは短期に捉えると、見えるのはリターンではなくリスクでありノイズである。そこだけを捉えて一喜一憂をすべきではない。

④どんな人間も合理性のみでは生きていけず、必ずヒューリスティック(経験則)で物事を見てしまう。
過去のマーケットがこうだったから、今後こうなるとか、この出来事は過去起こったことがない、とかいう出来事は意外と頻繁に起きる。

⑤確率と期待値を混同してはいけない。例えば1000回で999回は1ドル儲かるけど、1回は1万ドル損する取引は行うべきだろうか?
期待値は-9.001ドルになり、行うべきではない。計算すればわかるのに、目先の利益に走っていないか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年2月1日
読了日 : 2023年2月1日
本棚登録日 : 2022年1月7日

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