モダン語の世界へ: 流行語で探る近現代 (岩波新書 新赤版 1875)

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  • 岩波書店 (2021年4月22日発売)
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感想 : 11

 著者の専門の思想史まで入ると馴染みはないし、また持って回った言い回しも多く、本書全体として整理されていない印象もあるが、単純に流行語辞典・雑学事典としても楽しめる。対象は1910〜30年代。
 エログロナンセンスで1章使っている。映画、レヴュー、女給に見るエロ。様々な猟奇のグロ。公序良俗の強制に対する風刺と反発としてのナンセンス。
 エロもそうだが、モダン・ガールや女性の断髪、「新しい女」に対する視線には、現代では許容されないだろうものが少なくない。著者も後書きでそのことは留意している。
 この時代に流入した外国の文物は欧米からだけでもなかった。「支那趣味」が流行し、中国への侮蔑と憧憬が併存していたという。じゃらんなど、非欧米世界からの言葉も。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本
感想投稿日 : 2021年6月7日
読了日 : 2021年6月7日
本棚登録日 : 2021年6月7日

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