酒池肉林: 中国の贅沢三昧 (講談社現代新書 1139)

著者 :
  • 講談社 (1993年3月1日発売)
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感想 : 13

紂王、始皇帝、煬帝、西太后といった最高権力者の贅沢は往々にして巨大建築に走り、スケールが大きい。貴族の贅沢は、時にデカダン風味を伴いつつも一貫して美意識重視。西門慶という成り上がり商人の贅沢は、色にも食にもギラギラ。また数ある宦官の専横の中でも「全身これ宦官的存在悪」魏忠賢は代表格。殺人マニア張献忠のような一風変わった「贅沢」もあり。筆者は結局のところ竹林の七賢や蘇東坡、唐寅のような清貧(でもないが)の中での精神的贅沢を称えているが、野次馬的に後世から覗き見する分には、現代ではありえない贅沢の方が面白い。同時代人にはたまったものではないだろうが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国
感想投稿日 : 2012年10月19日
読了日 : 2012年10月18日
本棚登録日 : 2012年10月19日

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