戦時下の言論統制において、新聞は軍部の弾圧の被害者ではなく、「思想戦戦士」を自任した参加者だった、というのが本書の主題だ。売り上げというのもあり、また何より、不利な統制を呑まされるよりも主体的に新聞側が統制に参加する、という様がある。緒方竹虎含め、内閣情報局への新聞出身者の参加。日本新聞連盟という「自治的統制団体」など。
そして著者は最後に、今も継承される統制の結果を挙げる。「一県一紙」により経営基盤が確立された地方紙。紙やインクの優先供給を受けた「公的存在」性の強調と、現在の軽減税率。記者クラブ。
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カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2021年9月26日
- 読了日 : 2021年9月26日
- 本棚登録日 : 2021年9月26日
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