妻の誕生日に夜遅く家に帰ったら妻はすでに寝ていて、机の上にこの本が置いてあった。
次の日に「あれ読んだ?」と言われたので、これは読まなきゃだめだというこなんだなと、急ぎ読んだ。
色々と書かれてはいるが、結局のところ何かを言われたときは、理由を求めているわけではないのだから、思い切り共感すればよいのだ、ということと理解した。
そして、色々と言わているうちが華だということも。
思えば、夫婦でなくても、留保なく共感してもらえる相手がいるというのは、とても安心するものだ。家族とはそういうものであるべきだということなんだろう。それはよし。
この本を通して気になるのは、男脳と女脳の違いを強調しすぎること。しかも、遺伝的にそうだと言ってしまう。例えば女脳は男脳よりも脳梁が太いので、右脳と左脳の連携がよい、とか。脳を遺伝的な観点で語るときの問題のひとつは、脳の発達そのものが環境によって大きく左右されるものであり、その違いを強調しすぎたり、遺伝的な違い(つまり、個人の行動で左右できない)で説明するのは、少なくとも科学的なポジションとしても正しくないし、トレンドでもない。もし、仮に男と女との間に違いがあるとすれば、それは脳による説明よりもよほど置かれた社会的環境による説明の方がおそらく説明できる範囲が大きいだろう。
でも、要するにそういうことは大事なことではないのだ。この本の目的は、背景にあるロジックを説明することではなく、いかに行動するべきなのかであり、そのための実践的なコツが書かれているのだ。何といってもそのタイトルが「トリセツ」なのだから、書いている方からしても、家電のトリセツはろくに読みもせずに捨てているかもしれないけれど、長いこと使うものなんだからまあ騙されたと思ってとにかく読めということだ。
そして、読んだ?と聞かれたらこう言うのだ、「うん、ためになった」
もちろん、「だよねー」って言うのだ。
- 感想投稿日 : 2020年2月8日
- 読了日 : 2020年2月8日
- 本棚登録日 : 2020年2月8日
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