さいごの戦い―ナルニア国ものがたり〈7〉 (岩波少年文庫)

  • 岩波書店 (2000年11月17日発売)
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感想 : 70
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再読。

『ナルニア国物語』第7巻にして完結巻。
前巻、ナルニア国誕生からおそらく数千年後、ナルニア国の崩壊を描く。

反キリスト、偽預言者、最後の審判、永遠の楽園と、黙示録的なモチーフが頻出する。
また、ディゴリーの「うちがわは、そとがわより大きいものだ。」という言葉がひとつのキーワードになっているが、「わたしたちの世界でも、むかしあるかたがはいっていたうまやがありましたが、そこは全世界より大きかったのですよ。」というルーシィの返答もまた、キリスト教的な意味付けを示唆している。

これまでに登場した多くの人物が再度現れ、物語は大団円を迎えるが、ピーターたち人の子らに与えられた運命をどう捉えるかは難しい。全体がキリスト教的世界観で貫かれているため、これはハッピーエンドには違いないのだろうけど、手放しで祝福できない感覚も残る。
しかし全体を通して物語の構成にも描写にも読み応えがあり、ひとつの寓話として楽しく読み終えることができた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童文学
感想投稿日 : 2020年6月1日
読了日 : 2020年6月1日
本棚登録日 : 2020年6月1日

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