再読。
『ナルニア国物語』第7巻にして完結巻。
前巻、ナルニア国誕生からおそらく数千年後、ナルニア国の崩壊を描く。
反キリスト、偽預言者、最後の審判、永遠の楽園と、黙示録的なモチーフが頻出する。
また、ディゴリーの「うちがわは、そとがわより大きいものだ。」という言葉がひとつのキーワードになっているが、「わたしたちの世界でも、むかしあるかたがはいっていたうまやがありましたが、そこは全世界より大きかったのですよ。」というルーシィの返答もまた、キリスト教的な意味付けを示唆している。
これまでに登場した多くの人物が再度現れ、物語は大団円を迎えるが、ピーターたち人の子らに与えられた運命をどう捉えるかは難しい。全体がキリスト教的世界観で貫かれているため、これはハッピーエンドには違いないのだろうけど、手放しで祝福できない感覚も残る。
しかし全体を通して物語の構成にも描写にも読み応えがあり、ひとつの寓話として楽しく読み終えることができた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童文学
- 感想投稿日 : 2020年6月1日
- 読了日 : 2020年6月1日
- 本棚登録日 : 2020年6月1日
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