数学的にありえない 上 (文春文庫 フ 31-1)

  • 文藝春秋 (2009年8月4日発売)
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本棚登録 : 1077
感想 : 107
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最初は各登場人物のありえないような偶然から引き起こされるアクシデントで彼らの人生がどんどん悪い方向に向かって行くところから話は始まります。

読んでいて「こんな巡り会わせありえない」と思うシーンの連続ですが、この物語にはそこに意味がある事が読み進むと判ってくる。

少々荒唐無稽な部分はありますが、それを補って余りある非常にスピード感のあるストーリー展開とド派手なアクションシーンの連続で読む手を止められませんでした。

小説の前半にあるサイドストーリー的出来事も最後にはパズルのピースが組み立てられるように全てが関連している・・・非常に上質なサスペンス小説でした。

お話しは、数学の天才であるがギャンブル依存症の若者ケインが闇賭博ポーカーでAの4カードを手に大金を賭け他のプレイヤーのロイヤルストレートフラッシュに負けるところから始まります。
また別の場面では、国家機密を切り売りし小遣いを稼いでいる凄腕CIA局員ナヴァが些細な事からとんでもない窮地に立たされてしまう。
こんな2人+αのいろんな人達に様々な事件が起こり、遂にはケインを狙った壮絶なマンハントが展開される。

ある特殊能力を持ったケインはいかに追っ手逃れるか。ナヴァは自分の窮地を脱するか?

多少理系的なエピソードがあるので「、その辺が苦手な方にはその辺が辛いかも知れませんが、私的にはかなり面白い小説でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月25日
読了日 : 2010年1月24日
本棚登録日 : 2023年2月25日

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