死者を悼む旅を続ける青年の物語。
ここで言う「悼む」とは、弔うことでもなく冥福を祈ることでもない。
忘れずに覚えていると言うこと。
とても単純なことのように思えるがこれがものすごく心に突き刺さった。
確かに死んだ人とは二度と会えないが、覚えてくれる人がいる限りその人の存在が消えることはない。
そこにスポットを当てた作品だと感じた。
死ぬとはなんなのか、生きるとはなんなのか、存在するとはなんなのか、その全てに一つの導きを与えてくれているような気がする。
どれが正しいなんて分からないが、主人公は全て分かっていて、母に会いに行かず、倖世に託しのではないか、誰かが覚えてくれていればその存在は消えることはないのだから。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年11月29日
- 読了日 : 2019年11月15日
- 本棚登録日 : 2019年11月29日
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